2021.12.07

ツアレポ|ウールのストール/カーディガン絞り染めツアー

  • WRITER
  • 浅野 翔・あさのかける
    アリマツアー事務局

こんにちは、おたからめぐりアリマツアー事務局の浅野です。2020年10月から2021年3月まで開催する、ウールのストール・カーディガンの絞り染めツアーについてレポートします。ウール100%の素材を使ったストール、カーディガンは秋冬の季節だけでなく、天然繊維を細く撚った糸は通気性や吸湿性もあり、実は春先まで使えちゃうことをご存知でしたか?

今回のおたからめぐりアリマツアー(以下、アリマツアー)では、大判ストールとメリノ/ラムウールのカーディガンを、職人さんの手ほどきを受けながら参加者が絞り染めすることができるプログラムです。

有松・鳴海絞りってどんなもの?

写真(すべて):岡松愛子

受付場所は有松・鳴海絞会館です。熟練の職人さんによる実演がおこなわれ、初めて有松・鳴海絞りを見る参加者は、細かく繊細な「くくり」と呼ばれる作業に驚いていました。染め上げられた状態は一見ボンレスハムのようですが、くくられた糸をほどいて広げると美しい柄が出てきます。

(新型コロナウイルスの影響で、開館がイレギュラーな場合もございます。最新の開館情報はウェブサイトをご覧ください)

まち並みが博物館

この日は、有松山車会館で展示があり、偶然にも山車庫のとびらが開いていました。4m以上ある山車は迫力満点。例年、10月第一週日曜日に開催される秋季大祭(通称、山車祭り)には、有松に3輌ある山車が曳き出されると伝えると、今年は新型コロナウイルスの影響でなくなってしまったので「来年はお祭りのタイミングでも見に来たいね!」とお話されていたのが印象に残っています。

余談ですが、山車祭りは夜もステキなので、1日滞在することを強くおすすめしています!

江戸時代に開村された有松は、村がすべて焼けてしまうほどの大火に見舞われたこともありましたが、奇跡的に戦火を免れてもまちなみが残っています。この地点では3つの時代(江戸後期・明治・大正)の建物を一度に見ることができ、どれが一番古い建物かをみなさんに指差してもらっているところです。正解は、…………ツアーに参加した時にお話しますね笑

はじめてのウールの染色体験

15分程のまち歩きを経て到着したのは、有松に現存する工房のなかで、最も古い工房を持つ有松工芸さんです。おじいさんの代から有松・鳴海絞りに従事する濱島さん。絞り染されたたくさんの布生地のサンプルはもちろん、くくりをするためのさまざまな道具もあります。

今回のアリマツアーでは、有松・鳴海絞りの3つの基本技法(くくる・はさむ・ぬう)から、「くくる」と「はさむ」方法で柄をつくってもらいます。私たちスタッフが身につけているスカーフ/カーディガンのサンプルを参考にしながら、自分たちでどのような柄を、染めをするのかを考えていきます。無限にある組み合わせに悩ましつつ、お話されています。

参加者「この柄はどんな技法ですか?」

濱島「それは竜巻絞りだね」

参加者「私は竜巻にする!」

参加者「じゃあ、僕はスーパーボール!」

こんな会話が聞こえてくるのがアリマツアーをガイドしていて楽しいところです笑 

最初はあれこれと話しながらにぎやかに進むアリマツアーですが、作業が進むとだんだん静かになっていくのが特徴です。くくる作業に集中してもくもくと進める参加者たちを、やさしいまなざしでサポートしていく濱島さん。ちょっとした手の動かし方のコツや、道具の使い方を教えてくださるので、参加者は安心して思い思いのデザインを相談することができます笑

気がつくとあっという間に1時間近く過ぎています。くくりを終えた方から順に、思い思いの色で染色をおこないます。今回のツアーで用意したのは3色(イエロー・パープル・ネイビー)です。濱島さんが染料に浸ける深さや時間を見極め、サポートを受けながら参加者がともに染色をしていきます。

ウールは熱を加えながら染色します。ウール糸によっては染色の途中で縮れてしまったり、型崩れも起きることがありますが、アリマツアーでは有松でよく使用されるウール素材を用意しているのでご安心ください。

割と短時間で染め上がったウール生地は、水洗いして余計な染料を流し落とします。脱水をした状態のストール/カーディガンを受け取った参加者は、傷をつけないよう丁寧にくくり糸をとりはずしていきます。

最後にできあがりのストール/カーディガンを持ってみなで記念撮影してツアーは終了です。あっという間の2.5時間。テーブルに戻ると「次は〇〇を絞り染してみたいな〜!」と、すでに次回の作戦会議がおこなわれていました笑

 

本ツアーは秋冬限定のプログラムとなっております。

現在実施中のツアープログラムは、こちらからご覧ください。

■現在実施中のツアープログラム

https://armt.jp/tour/tour/

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